クエスト「パクレ警部の事件簿」から公式に運営から不愉快な思いをさせてしまったとお詫び。詳細説明や追加クエストを制作するとの発表があったようです。
ドラゴンクエストX ディレクターの安西です。
1月に公開したアストルティア キャラクターズファイル『パクレ警部の事件簿』について、おはなし感想広場や提案広場はもちろん、Twitterやブログなどでも多くのご意見をいただいております。ありがとうございます。
まず、今回のクエストでショックを受け傷ついてしまったみなさまや、不愉快な思いをさせてしまったみなさまにお詫びします。
クエストのプレイ、未プレイにかかわらず、「ドラゴンクエストX」全体の冒険者のみなさまにもご心配をかけたと思います。誠に申し訳ありません。あわせまして、クエストの制作意図、伝えられなかった点、失敗した点などについて補足させていただくとともに、今後の対応についても説明させていただきます。
なお、内容にかかわる説明を含みますので、ここから下についてはクエストをクリアした後にご確認されることをおすすめします。
『パクレ警部の事件簿』は「不思議な出来事のお話」としてスタートしました。起こったことが現実だったのか? まさかの白昼夢だったのか? 誰かの脳内世界なのか? 世界にはとんでもない秘密があるのかもしれず、現実と虚構の境が曖昧になる。そんな「ドラゴンクエストX」には無いタイプのお話として、キャラクターズファイルの場で挑戦しました。
ネタばらしになってしまいますが、今回のお話はパクレ警部の夢想がプレイヤーに干渉した虚構の世界です。「登場するキャラクターや秘密組織があまりに強大すぎる」というご意見を多くいただいたのも、虚構の世界ならではの設定になります。
現実のパクレ警部の活躍を想像していた多くのみなさまに、期待と異なるお話をリリースしてしまったことも、あわせてお詫びします。クエストでは、パクレ警部が謎の秘密組織の敏腕エージェントであり、アストルティアはその組織に監視され続けているのかも? という結末を迎えます。クエストを制作する過程で、明確に夢想だとわかる「オチ」を付けたほうがよいのではないかという議論もありましたが、最初の方針である「不思議なお話」を目指して、現在の結末になっています。
「もしかしたらこういうことなのかも……」と、いろいろ想像できる余地を残しておく意図です。しかし、この判断は失敗でした。多くの伏線や思わせぶりなセリフが未消化のまま残され、クエスト終了後に起きたことを否定するNPCのセリフも中途半端なものになってしまい、意図せぬ解釈に強く誘導してしまいました。クエストクリア後に「隠しオフィス」を消すつもりだったのですが、クエストボス討伐のお手伝いができるようにするために残してしまったことも、起こったことが事実であるとの印象を強くしてしまいました。
冒険者のみなさまやアストルティアのキャラクター達の冒険を無意味に感じさせてしまったこと、サブストーリーの設定がメインストーリーの世界を監視・干渉しているように感じさせてしまったことなど、このクエストの問題はひとえに私たちの力量不足によるものです。誠に申し訳ございません。
『パクレ警部の事件簿』に関する今後の対応を、プロデューサーの青山、シナリオチーフの成田をはじめとする関係者にて協議を行いました。
いつ、どのような形で対応するのがよいかさまざまな議論をし、私からの説明だけではなく、アストルティアの物語としてきちんと決着をつける必要があるとの結論に至り、追加クエストを制作することにしました。メインストーリーとの線引きを明らかにするためのアンサー編としての位置づけです。
クエストをプレイしたみなさまに物語をあるべき姿でお届けし、これからプレイするみなさまのためにも必要であると考えました。このクエストはできるだけ早いタイミングで公開したいと思っていますが、これから制作を始めますので、少しお待たせしてしまいます。バージョン4.5期間中には公開できるようにします。今回いただいたご意見を真摯に受け止め、今後の制作の教訓とさせていただきます。
最後になりますが、『パクレ警部の事件簿』を遊んでいただいたすべてのみなさまに感謝いたします。
みなさまのアストルティアを大切に思う気持ちにこたえられるような「ドラゴンクエストX」を目指していきますので、今後ともよろしくお願いします。
ドラゴンクエストX ディレクター 安西 崇